近年、情報のデジタル化が一気に進んだことで、私たちは日々さまざまなコンテンツを目にするようになりました。コンテンツのあり方は常に進化しており、現在ではインタラクティブコンテンツが注目を集めています。そこで今回は、デジタル技術の発展によって実現したインタラクティブコンテンツについて、詳しく解説します。
インタラクティブコンテンツとは
インタラクティブ(interactive)は「双方向」や「対話する」といった意味を持つ言葉です。つまり、インタラクティブコンテンツは「双方向性を持ったコンテンツ」を指します。
インタラクティブコンテンツは、ユーザーが一方的に情報を受け取るものではありません。ユーザーの選択に応じてその後の内容が変化するといったように、コンテンツが動的に変化するのが特徴です。ユーザー自身がコンテンツに関わることによって、よりユーザーの興味を惹きつけられます。
双方向性を持つインタラクティブコンテンツに対して、一方通行なものをパッシブコンテンツと呼ぶことがあります。テレビや映画といった従来の映像作品はほとんどがパッシブコンテンツであり、ユーザーはただ視聴することしかできませんでした。しかし、近年さまざまな技術が発展した結果、ユーザーにより優れた体験を与えられるインタラクティブコンテンツが増えています。
インタラクティブコンテンツの種類
インタラクティブコンテンツには、いくつか種類があります。代表的なものをご紹介します。
動画
従来の一方的に視聴するだけの動画とは異なり、インタラクティブ動画ではユーザーの行動に応じて内容が変化する仕組みになっています。たとえば、動画内に表示されたボタンを押して見たい内容を選べる、360度好きな角度から映像が見られる、といった内容です。インタラクティブ動画は、商品のPRや店舗・施設の見学などに用いられています。
広告
従来は一方的に見るだけだった広告も、ユーザーがより興味を持つ情報を提供できるインタラクティブコンテンツに変わっています。たとえば、パソコンの画面上に質問を表示し、ユーザーが選んだ内容に応じた広告を表示するといった内容です。ユーザーが知りたいと思っている情報をピンポイントに提供できるため、高い広告効果が期待できます。
ゲーム
パソコンゲームやテレビゲームは、キーボードやコントローラを操作すると内容が変化するため、もともとインタラクティブコンテンツと呼べるものでした。しかし昨今では、さまざまなセンサーを利用してリアルな人の動きを検知し、それに応じて内容が変化するゲームが注目されています。また、ARやVRと組み合わせることで、より没入感の高いゲームも登場しています。
インタラクティブコンテンツの活用事例
従来型のコンテンツよりもユーザーの興味を惹きつけやすいという特徴から、インタラクティブコンテンツはさまざまな分野で活用されています。
WEBマーケティング
WEBサイトや広告を使って見込み顧客を集客し、自社製品やサービスを訴求するWEBマーケティングにおいて、インタラクティブコンテンツは大きな効果を発揮します。ただ文章や映像を見るだけでは印象に残らない可能性がありますが、顧客自身の行動によって内容が変化するインタラクティブコンテンツであれば、強い印象が残りやすいためです。
具体的には、ゲームやクイズ形式で選んだ選択肢に応じたコンテンツを表示する、テストやアンケートで情報を収集した後に求めている情報を表示する、といった形で活用されています。
デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、公共施設や商業施設に設置される「電子看板」を指します。最新のデジタルサイネージの中には、タッチパネルや音声認識・顔認識、ARなどの技術を取り入れたインタラクティブサイネージと呼ばれるものが登場しています。
デジタルサイネージでは、利用者の指の動きに応じた情報を表示する、利用者の性別や年代に応じたコンテンツを表示する、商品をかざすと説明やレビューが表示される、といったさまざまな広告体験を実現できます。
プロジェクションマッピング
各種イベントやテーマパークなどでよく見るプロジェクションマッピングも、昨今ではインタラクティブ化しています。従来は立体的に映し出された映像を見ることしかできませんでしたが、カメラなどのセンサーで人の動きを検知し、投影された映像をリアルタイムに変化させるといった新しい体験が実現しました。
また、無人店舗において買い物客の位置情報と商品棚情報を取得し、足元におすすめの商品や手に取った商品を投影するといった、実用的かつ新しい体験も模索されている状況です。
まとめ
今回は、ユーザーに新しい体験を与えられるインタラクティブコンテンツについてご紹介しました。インタラクティブコンテンツは、今後も優れたコンテンツの形としてあらゆる用途で活用されていくでしょう。
インタラクティブコンテンツにはユーザーの動きを検知するセンサーが不可欠ですが、それらセンサーの技術も年々向上しています。数年後には、より没入感のあるインタラクティブコンテンツが誕生しているかもしれません。
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