M2Mとは?IoTとの違いやM2Mの用途を解説

技術コラム

機械と機械をネットワークでつなげるM2Mの技術は、IoTによく似ているので混同されがちです。しかし、M2MとIoTは厳密には異なる技術であり、適材適所で使い分けることで大きな効果を発揮します。これらの技術を使いこなすためには、両者の違いを正しく理解しておかなくてはなりません。本記事では、M2MとIoTがどのような技術かを解説した上で、2つの違いやM2Mの用途について解説いたします。

M2Mとは?

M2Mは「Mashine to Machine」の略称で、ネットワークでつながった機械と機械が互いに通信を行いながら自動で動作する技術です。人が介在しなくても機器の操作や制御、データ通信を行えることから、さまざまな用途で活用されています。
M2Mの歴史は意外にも長く、IoTという言葉が生まれる前からすでに使われていました。日本では2000年代前半から「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながる「ユビキタスネットワーク社会」の実現が構想されていましたが、その取り組みの一環としてM2Mの活用が触れられています。
基本的なM2Mは、センサーとアクチュエーターの2つで構成されています。センサーから得た機械の状態や周辺環境の情報を基に、アクチュエーターが機械を制御するという流れです。機械と機械の通信では有線・無線の両方が使用されますが、クローズドネットワークでの運用が中心であり、必ずしもインターネットに接続するわけではありません。

IoTとは?

IoTは「Internet of Things」の略称で、あらゆるモノがインターネットを通じてつながり、データ収集や遠隔制御などを行う技術です。現在では、住宅や家電製品、自動車、建物といった、従来はネットワークでつながっていなかったさまざまなモノがIoT化しています。
IoTはデータの収集・蓄積・分析を中心に据えた技術です。さまざまなモノに備わったセンサーから得たデータは、インターネットを通じてサーバーに蓄積されます。サーバーに蓄積されたビッグデータはAIなどによって分析され、そこで得た情報は機器を制御したり、新たな製品やサービスを生み出したりするために幅広く活用されます。

M2MとIoTの違い

M2MとIoTは、どちらもセンシング技術や通信技術の進化に伴って急速に広まっています。上述したM2MとIoTの概要だけ聞くと、「結局何が違うのか?」と疑問に感じている方が多いかもしれません。M2MとIoTの違いは、次の3つの観点から考えると理解しやすくなります。

  • つながるモノ
  • インターネットとの接続
  • 活用目的

M2MとIoTを適材適所で使い分けるために、違いを正しく理解していきましょう。

インターネットとの接続

M2Mは必ずしもインターネットにつながっている必要はありません。機械と機械を有線通信で直接つないでいるケースも多く、外部との通信のないクローズドネットワークでの運用が中心となっています。そのため、IoTに比べると外部との接点が少なく、サイバー攻撃などのセキュリティリスクは低くなります。一方で、IoTはあらゆるモノをつなげるためにインターネットへの接続が前提となる技術です。モノとモノの接続も無線通信で行われるのが一般的であり、収集したデータはインターネットを通じてクラウドサーバーに蓄積され、さまざまな用途で活用されます。

活用目的

M2Mの主な活用目的は、機械からのデータ収集と機械の制御です。インターネットを経由しないM2Mの方が通信による遅延が少なく正確な制御ができるので、特に機械の制御に適しています。IoTの主な活用目的はデータの収集・蓄積・分析であり、あらゆるモノから得たビッグデータを分析することによって、さまざまな用途に活用することを目指しています。

M2Mでできること

先ほど述べた通り、M2Mの主な活用目的は、機械からのデータ収集と機械の制御です。
機械からのデータ収集は昔からさまざまな機械で行われています。たとえば、テレメトリングはM2Mの代表的な用途です。テレメトリングとは、通信技術を用いて計量器などを読み取ることであり、電力やガスメーターの自動検針などが行われています。M2Mによる機械の制御も以前から行われていましたが、最近になって改めて注目を集めています。その理由は、人手不足の解消や生産性向上、ヒューマンエラーの削減といったさまざまな目的で自動化のニーズが高まっているためです。
M2Mによる機械の制御の代表的な例は、建物の自動照明システムです。天井などに設置されたセンサーが得た情報を基に、人がいないときは照明を落とす、人がきたら照明を点けるといった制御を行います。また、実現に期待が集まっている自動運転においても、M2Mの技術が活用されています。たとえば、自動車に取り付けられたカメラやセンサーで得た情報を基にハンドルを操作したり、アクセルやブレーキをかけたりといった制御を行うのは、まさしくM2Mの技術です。カメラやセンサーで得た情報をインターネットを経由して処理していると少なからず遅延が発生するため、重大な事故につながる可能性があります。そのため、自動運転ではIoTではなくM2Mによる制御が最適となっています。

まとめ

今回は、M2MとIoTそれぞれの概要と2つの技術の違い、M2Mの用途についてご紹介しました。M2MとIoTはよく似ているので混同しやすいですが、それぞれに特色があり、適した用途が異なります。機械をつなげる場合は、M2MとIoTのどちらが目的に合っているのかを考えましょう。
また、M2MとIoTはどちらかしか活用できないというわけではありません。両者を組み合わせることでより高度なデータ収集や制御ができるようになります。M2MとIoTはこれからの時代のカギとなる技術であるため、積極的に活用していきましょう。

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